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多SKU×オムニチャネルのEC返品・交換業務をCS×物流でワンストップ化─「返品対応だけ外注できない」課題を解消した事例

SKU数が多く、購入経路も多様なアパレルECでは、返品・交換対応の業務が複雑化しやすいものです。「発送は外注できるのに、返品だけは任せられない」──そんな状況に悩むEC担当者は少なくありません。

今回は、ボンズ代表の山本と、CMO兼EC事業部責任者の重久が、下着アパレルメーカーの返品・交換業務をCSと物流のワンストップで支援した事例をもとに、現場で起きていた課題と、その解決プロセスを語ります。

複雑化する返品対応と現場の実情

山本:今回の下着アパレルメーカーさん、「返品対応が複雑で大変」とご相談でしたよね。SKU数が多い商品だと、やはり管理も大変ですよね。

重久:そうなんです。
今回のメーカーさんは、サイズ展開の幅が広く、カラーのバリエーションも多いので、その分 SKU が増えます。セット商品には、セット商品としてのSKUが必要になりますし。
加えて、商品の特性上、サイズ交換も発生しやすいんですよね。
未開封・未使用の状態で交換希望の方もいれば、開封済みでサイズ交換を希望される方もいます。
それによっても対応ルールが変わるので、慎重に判断する必要があるんです。

山本:開封済みだと商品として扱えなくなりますよね。

重久:そうなんですよ。でも、開封済みのものは返品を受け付けない、とするわけにもいかないんですよね。
着用時のフィット感などは、S・M・Lなどのサイズ表記だけでは判断しにくい部分もありますから。着てみたらサイズが合わなかった、ということも出てくるのが実態なんです。
ECでは、ある程度そこを受け入れていかないと、「そんなに返品ルールが厳しいなら、他で買おう」となってしまいますしね。

山本:返品がお客様都合なのか、メーカー都合なのか、という問題もありますよね。

重久:ありますね。「届いた商品のサイズが合わなかった」や「間違ったサイズを注文してしまった」などはお客様都合ですけれども、発送時のピッキングミスや商品不良のケースもなくはないですしね。
なかには、お客様が未開封と申告してきていても、現物を見ると、明らかに開封済みだなということもあります。どうしても現物を見ての判断が必要になる部分ですね。

山本:購入チャネルも複数ありましたよね。ECモール、量販店、自社EC、美容サロン…それぞれルールが違う。

重久: はい。それぞれのチャネルに応じた判断が必要です。同じ「返品したい」という問い合わせでも、
・購入場所
・受付期限
・交換ルール
・返金ルート
がチャネルによって異なります。
そのうえ、顧客からの問い合わせは電話・メール・LINE と複数の窓口に分かれているので、返品商品が届いた後に「どのチャネルで、どんな経緯だったか」を追いかける必要がありました。

山本:SKU数が多く、返品理由の分岐も多くて、チャネルも多い。ここまで条件が重なると、社内で対応するには確かに負担が大きいですね。

重久:そうなんです。メーカーさん自身も「外部に委託したい」という思いはずっとあったそうなのですが、返品判断・現物確認・顧客対応まで一体で任せられる物流業者がなかなか見つからない。というのがメーカーさんのお悩みでした。

発送は外注できても返品だけ社内対応

物流倉庫は出荷業務のプロであってCSの仕組みがない

山本:メーカーさん、もともとは返品交換も物流倉庫に委託していたんですよね。ただ、その時期は処理がうまく回らず、トラブルが増えてしまったそうですね。

重久:そうなんです。倉庫側はあくまで出荷業務のプロであって、顧客対応の専門家ではありません。
返品対応って、お客様の購入履歴や問い合わせ内容とセットで判断する必要がありますが、倉庫側にはその情報を見る仕組みがそもそもなかったんです。
だから、返品・交換を丸ごと物流倉庫に委託するのは構造的に無理があったと思います。

山本:つまり、CS側と倉庫側の情報がそもそもつながっていないということですよね。
返品は「現物」と「顧客情報」の両方を突き合わせて初めて判断できるけれど、倉庫にはその情報がない、と。

重久: そうなんです。倉庫に返品商品を送ったとしても、
「なぜ返品を希望されたのか」
「どんなやり取りがあったのか」
「交換希望なのか、返金希望なのか」
が分からない。そこを補うには CS のログが必要で、倉庫単体では完結できませんでした。

【補足:CSは物流倉庫の専門外の領域】

アパレルECに限らず、“返品だけは物流では処理しきれない” という構造は非常によくあります。
理由は、
・倉庫は「出荷された商品が間違いなく届く」ための仕組みに最適化されている
・一方、返品は「お客様の意向」や「購入時のやり取り」を踏まえないと判断できない
・この “顧客情報 × 現物の状態確認” を掛け合わせる作業が倉庫側には設計されていない
からです。

つまり、返品・交換は CS(顧客対応)とセットで初めて成立する業務 で、それが分断されるとトラブルが起きやすい。

 

人材配置にも予算の壁

山本:返品を社内で処理するにも、担当者の負担が大きかったんですよね。

重久:はい。業務量としては1人分程度なんですが、1人体制だと欠勤が出た瞬間に業務が止まってしまうリスクがあります。返品は日々発生するので、「今日は担当者がいないので対応できません」という運用が成立しないんですよね。
でも、だからといって 2人分の人材を確保するほどの業務量ではない。ここが現場としては本当に悩ましいポイントでした。

山本:返品・交換業務も含めて丸ごと外部委託できれば理想だけれど、倉庫側では対応しきれない。社内で対応するにも 2 人は置けない。どちらにも寄せられないジレンマですね。

重久:そうなんです。だからこそメーカーさんは、 「CS と返品・交換の両方ができて、なおかつ現物確認まで対応できる外部パートナー」を探していたのですが、これは市場を見てもほとんど存在しませんでした。
発送は外注できるのに、返品・交換だけはどうしても社内業務として巻き取らざるを得ない。メーカーにとっては負担が大きく悩ましい問題でした。

返品判断から在庫反映までをつなぐワンストップ体制

山本:今回のワンストップサービスは、もともとメーカーさんのご要望から生まれた仕組みなんですよね。このCSと物流の一体型オペレーションが整ったことで、メーカーさんの負担はかなり軽くなったと思います。

重久:そうですね。まず大きかったのは、返品理由の確認や判断作業をメーカーさん側に戻さずに、こちらで一連の流れを完結できるようになった点です。
問い合わせ対応 → 返品理由の確認 → 現物のチェック → 対応判断 までを一気通貫で処理できるので、細かい事務作業に時間を取られなくなりました。

山本:以前は、メーカーさんで現物確認をして判断が返ってくるまで、CS側が待ちの状態になることがどうしてもありましたよね。

重久:はい。そのタイムラグがなくなったことで、お客様への案内が早くなりましたし、メーカーさんの社内でも「確認して判断する」という作業に追われることがなくなりました。
この部分は大きなメリットだと思います。

山本:在庫まわりの管理でも、メーカーさんにとってメリットが大きかったですよね。

重久: はい。返品で戻ってきた商品の検品から在庫計上までをこちらで行い、
「いま何がどれくらい戻ってきて、実在庫がどう変動したか」
をレポートしています。
その情報を見ていただくことで、メーカーさん側では追加発注や増産の判断がしやすくなったと感じています。

山本:資材や梱包材の管理もこちらでやっていますよね。

重久:そうですね。梱包材や同梱物が不足すると発送に支障が出るので、在庫状況を把握してレポートしています。
メーカーさん側で後追いで確認したり、倉庫に問い合わせたりする手間がなくなったことで、実務的な負担はかなり軽減されたと思います。

山本:返品・交換・在庫反映・資材管理まで、ひとつの流れとしてつながった結果、全体のスピードと正確さが上がった、ということですね。

重久:はい。メーカーさんがやるべき判断業務が減り、こちらに任せてもらえる範囲が広がったことで、運用が安定しました。
これまで、返品・交換業務に関しては、CSと物流が分断されていましたが、ワンストップで対応できるようになって、メーカーさんもお客様も、どちらにもメリットがあると思います。

【補足:返品在庫は“需要予測の精度”に直結する】

アパレルECでは、返品で戻る在庫 が販売計画に大きく影響します。

返品数が見えないと、
・欠品だと思って追加発注したら、後から大量に返品が戻る
・生産が過剰になり、在庫リスクが増えるという問題が起こりがちです。

返品在庫を即時反映できる体制は、結果的に ロスの削減やキャッシュフローの改善 にもつながります。

 

「返品対応だけ外注できない」課題はなぜ起きるのか

山本:今回のメーカーさんのケースを見ていて思うのは、「返品・交換対応だけ社内で抱えている」という企業、実はかなり多いですよね。

重久:そうなんです。発送は物流倉庫に外注していても、返品・交換というイレギュラー業務だけは社内で処理…という状況は、アパレルに限らずEC全般で起きていると思います。

山本:やはり、返品・交換はCS側での判断が重要だから、どうしても切り離せないですよね。

重久:はい。返金を伴う返品やメーカー都合の返品・交換は特にですけど、スムーズに対応しないとクレームリスクもありますから気を抜けないんです。
仮にお客様都合の返品でも、交換品が届くまでお客様にとっては満足いく状態になっていないわけじゃないですか。顧客満足度やメーカーの評判に直結する業務だと思うんですよね。

山本:今は、口コミも拡散しやすいから、慎重にやらないといけない部分だよね。

重久:結局、社内で負担を負うしかなかったのですが、返品・交換業務って発生ベースで起こることなので、工数が読みづらいという問題もあるんですよね。対応ボリュームが増えると担当者の負担が大きくなるわけで。

山本:そうした中で、メーカーさんは、これまで手放せなかった部分まで外部に委託できたわけで、負担はかなり変わったと思います。

重久:本当にそうですね。社内の人間が返品対応に追われなくなり、本来業務に集中できるようになったのは、メーカーさんのとっても大きなメリットだと思います。

山本:こういうケースは今後も増えそうですね。

重久:増えると思います。物流倉庫に全て任せたいけれど、どうしても任せられない領域がある。そのギャップを埋められるパートナーが少ないので、ボンズとしては今後も支援の幅が広がると思います。

山本:今回の取り組みは、そんな企業にとってのひとつのモデルケースになったと言えますね。

重久:はい。同じ課題を抱えたEC企業にとって、解決のヒントになる事例だと思います。

【補足:一般論として、“返品だけ外注できない”のはEC構造そのものに理由がある】

返品業務は、「問い合わせ内容の把握」×「現物確認」×「判断」この3点セットがそろわないと対応できません。

倉庫は“物を扱う”プロ”ですが、
・購入履歴の確認
・過去の問い合わせの経緯
・メーカーごとの返品基準
・不良・顧客都合・交換の線引き
・クレームになりやすいポイントの判断
といった CS側の情報と紐づく判断 は、倉庫単体では担いにくいのが一般的です。さらに、返品は「返金」や「顧客満足度」に直結するため、対応の遅れ=評判リスク、判断ミス=クレームになりやすいセンシティブな業務でもあります。

そのため、
・出荷 → 倉庫で完結
・ 返品 → CS側でしか判断できず倉庫では完結しない
という分断が生まれ、“返品だけ社内に残る”状況が各社で発生してしまうわけです。

 

まとめ:イレギュラー対応を外注できるという選択肢

アパレルECでは、SKU数の多さやサイズ・カラーの組み合わせ、そして販売経路のオムニチャネル化によって、返品・交換対応がどうしても複雑になりがちです。
特に 「問い合わせ内容を確認しないと判断できない業務」 は、物流倉庫だけでは完結しにくく、結果として「返品対応だけは外注できない」状況が生まれます。
これは今回のケースに限ったことではありません。
多くのEC企業が「発送は委託できるのに、返品というイレギュラーだけは社内で対応」という構造的な課題に直面しています。

なぜなら返品は、
・CS情報(購入履歴・問い合わせ内容・チャネル情報)
・現物状態の確認
・メーカー基準に沿った判定
が揃わないと処理ができず、倉庫の仕組み・CSの仕組みのどちらか片方では成立しない業務だからです。

返品・交換業務は、CSと物流の両方が連携してこそ、安全かつ確実に外部化できる領域です。
今回の取り組みは、これまで「手放すことが難しい」とされてきた部分に対し、CS・返品判断・検品・在庫計上までワンストップで担う体制によってひとつの解決策を示した事例と言えます。

同様の課題をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせ、CSと物流をつなぐ最適な運用をご提案いたします。
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