電話対応では、終わり方でも相手に与える印象が変わります。

しかし、電話対応に慣れていないと、電話の終わらせ方がわからず困ってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、電話の終わらせ方のマナーについて解説します。

相手に良い印象を与えられるよう、終わらせ方のポイントを押さえておきましょう。

基本的な電話の終わらせ方

まずは、基本的な電話の終わらせ方について解説します。

電話対応のマナーでもあるので、以下のポイントはしっかり身につけておきましょう。

用件を再確認する

電話を終える前に、もう一度用件を確認しましょう。

用件を正確に把握できていなかったり認識にズレがあったりすると、電話の相手や担当者などに迷惑をかけてしまうかもしれません。

顧客からの電話の場合、クレームに発展する恐れもあります。

トラブルを防ぐためにも、必ず用件を再確認してから電話を切りましょう。

用件を再確認することで、相手にも「間違いなく用件が伝わっている」という安心感を与えられます。

電話をかけた側が先に切る

ビジネスシーンでは、電話をかけた側が先に切るのが基本的なマナーです。

電話をかけた側は用件があって電話をしているため、すべて伝え終わったタイミングで電話を終えられるからです。

電話をかけたにもかかわらず自分から電話を切らない人もいますが、電話を受けた側は相手が用件を伝え終わったか判断しにくく、電話を終えてよいか迷ってしまいます。

また、相手がマナーに従い、こちら側が先に切るのを待っている可能性もあります。

相手を困らせないためにも、自分から連絡したときは自分から電話を終えることを申し出ましょう。

自分が電話を受けた側の場合は、相手が電話を切ったことを確認してから通話終了ボタンを押します。

しかし、相手が電話をなかなか切らないケースもあるでしょう。

もし相手が電話を切らず、沈黙が続いてしまった場合は、「お先に切らせていただきます」などと伝えて自分から切ってもかまいません。

もしくは、「どうぞお先にお切りください」と言って相手に電話を切ってもらうよう促すのもよいでしょう。

電話を切る前に、電話を終える旨を伝える

こちらから電話を切る場合は、受話器を置く前に電話を終える旨を伝えましょう。

何も言わず急に切ってしまうのはマナーに反するとともに、相手が補足を加えるタイミングを逃してしまう可能性もあります。

伝え方としては、「お電話を切らせていただきます」でも構いませんが、「それでは、失礼いたします」といって切るのが基本です。

丁寧な印象を与えつつ、電話を切る旨を伝えられるので、電話を終える前に必ず一言添えましょう。

電話の終わらせ方で気をつけたいポイント

電話を終わらせる際には、注意すべきポイントもあります。

相手に良い印象をもってもらえるよう、最後まで丁寧な対応を心がけましょう。

相手が目上の人や顧客の場合は、相手が先に切るのを待つ

基本的な電話の終わらせ方では、電話をかけた側が先に切ると説明しました。

しかし、自分が電話をかけた側であっても、電話の相手が目上の人や顧客の場合は、相手が先に切るのを待ちましょう。

ただし、相手がマナーに従ってこちらが先に電話を切るのを待っている可能性もあります。

「失礼いたします」と伝えた後、5秒ほど待っても相手が電話を切る様子がないようであれば、こちらから電話を切りましょう。

音が入らないよう静かに切る

電話を終える際は、音が入らないよう静かに切りましょう。

大きな音が入ってしまうと、雑な印象を与えてしまいます。

とくに、受話器を置いて切るタイプの電話機は、無造作に切ると「ガチャ」という音が入ってしまうので注意が必要です。

受話器を置く前に指で静かにフックを押すと、大きな音を立てずに切れます。

ボタンを押して切るタイプの電話やスマートフォンの場合でも、静かに切ることを意識して最後まで丁寧に対応しましょう。

電話を終わらせるときに使えるフレーズ

ここでは、電話を終わらせるときに使えるフレーズをシーン別に紹介します。

電話を終える際の定番フレーズなので、自然な流れで言えるよう頭に入れておきましょう。

基本の言い回し

・それでは、失礼いたします。

・今後ともよろしくお願いいたします。

電話をかけたときに使えるフレーズ

・お忙しいところありがとうございました。

・お時間をいただきありがとうございました。

電話を受けたときに使えるフレーズ

・お電話ありがとうございました。

・またいつでもご連絡ください。

相手が電話を切らないときに使えるフレーズ

・どうぞお先にお切りください。

・お先に切らせていただきます。

【シーン別】具体的な電話の終わらせ方

良い印象を与えるために、電話を切る旨の伝え方にも気を配りましょう。

今回は、シーン別に適したフレーズを紹介します。

どのように伝えるか迷いやすいシーンをピックアップしたので、参考にしてみてください。

会議中や打ち合わせ中に電話かかってきたとき

会議や打ち合わせをしているときに電話がかかってきた場合は、現在の状況を説明しつつ、後ほど折り返すことを約束しましょう。

「申し訳ございませんが、ただいま会議中でして、後ほどお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」

「ただいま打ち合わせ中のため、申し訳ございませんが後ほどこちらからお電話させていただいてもよろしいでしょうか?」

早めに電話を切り上げたいとき

次の予定が迫っていたり、緊急の業務があって忙しかったりして早めに電話を切り上げたいときは、失礼にならないよう言い方に注意しながら理由を丁寧に説明しましょう。

抑揚のない淡々とした言い方だと相手を不快にさせる可能性があるので、申し訳ないという気持ちを込めて伝えることを意識してくださいね。

「大変申し訳ございませんが、次の予定が迫っておりますので、ここで失礼させていただきます」

「大変申し訳ありませんが、急ぎの対応が必要な案件がございますので、ここで切らせていただきます」

話を続けたがっている相手との電話を切りたいとき

話を続けたがっている相手との電話を早く切り上げたい場合は、丁寧な言葉遣いをしつつ電話を終える旨をきっぱりと伝えましょう。

なお、営業電話などの不要な電話への対応は時間を無駄にしてしまうので、丁寧さを意識しながらも、早く電話を切り上げられるようはっきり断ってかまいません。

「せっかくですが、弊社には不要ですので、これで失礼させていただきます」

「必要になりましたらこちらから連絡いたしますので、再度のご連絡は不要です」

雑談を切り上げるとき

用件と直接関係ない話題で盛り上がって電話が長引いてしまったときは、楽しい時間を過ごせたことを伝えたうえで電話を終えると、相手と良い関係性を築きやすくなります。

「またお話できるのを楽しみにしております。本日はこれで失礼いたします」

「楽しい時間をありがとうございました。それでは、失礼いたします」

クレームの電話を終わらせるとき

クレームの電話を終わらせるときは、迷惑をかけたことに対する謝罪とともに、意見をいただいたことへの感謝も伝えることがポイントです。

「ご指摘いただき、ありがとうございました。迅速に対応させていただきます」

「この度は、ご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。それでは、失礼させていただきます」

基本的な電話対応マナーもあわせてチェック!

最後に、電話対応の基本的なマナーも紹介します。

相手に良い印象を与えるために、電話の終わらせ方とあわせてチェックしておきましょう。

電話を受けたら3コール以内に出る

電話を受けたときは、3コール以内に出るのがマナーです。

3コール以内に出ることは、ビジネスマナーとしても広く知られているため、3コール以上かかってしまうと電話に出るのが遅いという印象を与えてしまいます。

もし出るのが遅れてしまった場合は、「大変お待たせしました」と言ってから名乗りましょう。

なお、何コール以内に出るかは会社によっても異なります。

なかには2コール以内を目安にしている会社もあるので、自社のマニュアルをよく確認しておきましょう。

「もしもし」の使用はNG

ビジネスシーンの電話対応において、「もしもし」の使用はNGです。

「もしもし」はもともと、「申す申す」の略語であると言われています。

略語を目上の人や顧客に対して使用することは失礼に当たるため、ビジネスシーンでの使用は適しません。

「もしもし」の代わりに、電話をかけたときは「お世話になっております」、電話を受けたときは「お電話ありがとうございます」とあいさつをしてから名乗るのが一般的です。

また、相手に呼びかけるときも「もしもし」は使わずに、「〇〇様」と相手の名前で呼びかけましょう。

用件は端的に伝える

相手に用件を伝える際は、できるだけ端的に伝えましょう。

説明がだらだらと長くなると、何が重要なのか、何を伝えたいのかわかりにくくなります。

また、通話時間も長くなるため、相手の貴重な時間を無駄に奪ってしまいます。

端的に伝えるために、あらかじめ用件をメモにまとめて準備しておきましょう。

電話対応に不慣れな人や自信のない人は、より詳細にまとめたトークスクリプトを用意するのがおすすめです。

重要なことは復唱する

電話対応で最低限求められるのは、相手の名前や用件など、重要な情報を正確に聞き取ることです。

名前や用件を聞き間違えたり聞き逃したりすると、大きなトラブルに発展する恐れもあるので注意しましょう。

正確に聞き取るためには、相手が言ったことを復唱することが大切です。

たとえば、相手が名乗ったら、「株式会社〇〇の〇〇様でいらっしゃいますね」のように、はっきりと復唱しましょう。

もし聞き取れなかった場合は、そのまま流さずに「申し訳ございませんが、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか?」などと必ず聞き返しましょう。

まとめ

電話対応で良い印象を与えるためには、電話の終わらせ方にも気を配る必要があります。

スムーズに電話を終えられるよう、マナーを守ることはもちろん、丁寧な言い回しや感情のこもった言い方を意識しましょう。

今回紹介した電話を終わらせるときの定番フレーズも、ぜひ使ってみてくださいね。

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