多言語コールセンターとは、外国語に対応するコールセンターで、外国人顧客からの問い合わせを翻訳し、円滑に対応を進めるためのサービスです。
利用することで、業務時間外の対応やコスト削減といった効果が期待できます。
しかし、メリットやデメリットを把握せずにサービスを選んでしまうと、導入後に期待した成果が得られない可能性もあるため注意しましょう。
本記事では、おすすめの多言語コールセンター、メリット・デメリット、そして選び方について解説します。

1 多言語コールセンターが必要とされる背景

多言語コールセンターが必要とされる背景には、3つの要因があります。

・グローバル化の進展
・インバウンド需要の拡大
・外国人労働者の増加
グローバル化の進展
1つ目は、グローバル化の進展です。

日本国内の人口減少に伴い、国内市場が縮小しているため、多くのビジネスが国際化を進めています。
例えば、ECサイトを活用して日本国内の製品を海外向けに販売する場合、海外からの問い合わせに対応することが必要です。
また、個人情報の取り扱いについては、国や地域ごとに異なる規制があるため、各国の言語で適切に対応することが求められます。
しかし、多言語に対応できる人材を雇用するのは容易ではありません。
多言語コールセンターに業務を委託することで、ビジネスが円滑に進むようになります。

インバウンド需要の拡大
2つ目は、インバウンド需要の拡大です。
観光やビジネス目的で日本を訪れる外国人が増加しており、多言語での対応が求められる機会が増えています。
日本政府観光局によると、2024年6月の訪日外国人数は3,135,600人に達し、単月として過去最高を記録しました。
また、英語圏以外の外国人も増えているため、他言語での対応によって新たなビジネスチャンスが広がります。

出典:訪日外客数(2024年6月推計値)

外国人労働者の増加
3つ目は、外国人労働者の増加です。
外国人労働者が日本で生活するためには、さまざまな手続きが必要です。
厚生労働省によると、外国人労働者の数は初めて200万人を超えました。
例えば、外国人労働者が日本で生活するためには賃貸契約や自治体での公的手続きが必要ですが、言語の壁があるとこれらの手続きが円滑に進みません。
不動産会社や自治体にとっても、言葉が通じないと業務負担が増加してしまいます。
日本語で対応することが厳しい場合、多言語コールセンターを活用することで、スムーズに業務を進めることが可能です。

出典: 外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

2 多言語コールセンターに依頼できる業務

多言語コールセンターに依頼できる業務は以下の通りです。

・カスタマーサポート業務
・テクニカルサポート業務
・注文受付業務
・予約受付業務
・外国従業員のサポート業
カスタマーサポート業務
顧客から商品やサービスに関する問い合わせがあった場合、多言語コールセンターを通じて翻訳対応を依頼できます。

迅速に問題を解決することで、顧客満足度の向上につながります。

テクニカルサポート業務
IT製品やソフトウェアの使用方法など、技術的な問い合わせも翻訳対応が可能です。

技術的な質問は複雑であり、正確に多言語で伝えるのが難しいため、多言語コールセンターに依頼することで業務の効率化が図れます。
注文受付業務
多言語での注文受付や受注管理も依頼できます。

例えば、ECサイトを通じて海外に製品を販売している場合、注文に関する質問や到着日についての問い合わせに対応し、スムーズに注文を処理することが可能です。
予約受付業務
ホテル、レストラン、交通機関などの予約受付にも多言語対応が求められます。

多言語コールセンターを活用することで、予約の処理を円滑に進められるだけでなく、訪日外国人の言語に対する不安を軽減することができます。
外国従業員のサポート業務
外国人従業員とのコミュニケーションが難しい場合、翻訳を依頼することで意思疎通を円滑に図ることができます。

また、外国人従業員の困りごとをヒアリングすることで、より働きやすい職場環境を整える参考にもなります。

3多言語コールセンターに依頼するメリット


多言語コールセンターに依頼するメリットは以下の3つです。

・顧客満足度の向上
・人件費やコストの削減
・365日24時間対応が可能

顧客満足度の向上
多言語コールセンターを利用することで、サポート品質が向上します。
顧客の母国語で対応できるため、トラブルや要望に迅速かつ正確に対応できるからです。
例えば、外国人入居者向けに賃貸物件を紹介する不動産業者は、さまざまなサポートが求められます。
具体的には、外国人入居者から水漏れのトラブルについての問い合わせがあった場合、言葉の壁で問題の詳細を把握できなければ、家主や修理業者に状況を伝えることが難しくなるでしょう。
多言語コールセンターを活用することで、トラブルの状況を正確に把握し、早期に対応できるだけでなく、外国人入居者に対するサポート品質の向上にもつながります。
人件費やコストの削減
多言語コールセンターを利用することで、人件費やコストを削減できることも大きなメリットです。
多言語対応できる従業員を雇用し、育成するためのコストや時間を節約できます。
例えば、外国人従業員を採用した場合、社内制度やコンプライアンス、業務内容を伝えるのに時間がかかることがあります。
しかし、多言語コールセンターを必要なときだけ利用することで、新たなリソースを割くことなく、効率的に業務を進められるでしょう。

365日24時間対応が可能
多言語コールセンターのもう一つの大きなメリットは、365日24時間対応できることです。
例えば、医療機関では、外国人患者からの緊急の問い合わせに対して、迅速な対応が求められます。
言葉が通じない場合でも、多言語コールセンターを通じて通訳を依頼すれば、症状を正確に把握し、必要な処置を適切に行えます。
時間帯や時差を気にせず対応できるため、機会損失を防ぎ、サービスの品質を維持できるでしょう。

4多言語コールセンターに依頼するデメリット

多言語コールセンターに依頼するデメリットは、主に以下の2点です。
情報伝達ミスのリスク
多言語コールセンターに依頼するデメリットの一つは、企業内部の情報が正確に伝わらず、顧客に誤った内容を伝えてしまうリスクがあることです。
例えば、製品の在庫がないにもかかわらず、受注可能だと顧客に伝えてしまうと、無駄な時間がかかるだけでなく、顧客満足度の低下につながります。
リスクを軽減するために、口頭のやり取りだけでなく、テキストでの確認やマニュアルを使って多言語コールセンターと情報共有を徹底することが重要です。
ノウハウの蓄積が困難
多言語コールセンターに依存しすぎると、社内で顧客対応のノウハウが蓄積しにくくなることがデメリットです。
顧客の声を直接聞く機会が減り、フィードバックをもとにサービス品質を向上させることが難しくなるからです。
問題を防ぐためには、多言語コールセンターから対応内容を定期的に共有してもらい、どのような問い合わせが多いかを把握し、社内で情報を整理・分析する体制を整えましょう。

5多言語コールセンター選ぶ時の注意点


ここからは、多言語コールセンターを選ぶ時の注意点を3つ紹介します。

・対応可能な言語の範囲
・多言語コールセンタの実績・条件
・セキュリティ対策

ポイントを押さえておくことで、期待した成果が得られずに後悔するリスクを減らせます。
対応可能な言語の範囲
まず、コールセンターが対応できる言語の範囲を確認しましょう。
依頼したい言語に対応していなければ、外注できないためです。
コールセンターによって対応可能な言語は異なりますので、扱っている言語を事前にしっかりチェックしましょう。
さらに、多言語コールセンターに所属する外国人スタッフの日本語スキルも重要です。
日本語で翻訳を依頼しても、対応スタッフに意思が伝わらない場合、業務がスムーズに進まない可能性があるからです。
日本語でのコミュニケーション能力も確認することで、トラブルを防ぎやすくなります。
多言語コールセンタの実績・条件
次に、コールセンターの実績や提供条件を確認することが重要です。
実績が豊富なコールセンターは、多くの案件に対応した経験があり、スムーズな対応が期待できます。
例えば、金融商品を取り扱う企業なら、過去に金融業界から依頼を受けた経験があるかどうかを確認することが大切です。
実績があることで、専門知識を備え、迅速で正確な対応が可能となり、顧客満足度の向上にもつながります。
以下の条件も確認しておくと安心です。
・対応業界の実績
・24時間365日対応可能か
・電話、メール、SNS、チャット(テキスト・ビデオ)など、多様なチャネルでの対応が可能か

セキュリティ対策
多言語コールセンターに依頼する際、セキュリティ対策も重要な確認ポイントです。
顧客情報を扱うため、個人情報の漏洩が発生すると損害賠償や会社の信用失墜につながる可能性があります。
東京商工リサーチの調査では、情報漏洩の約3割が誤表示や誤送信によるものとされています。
翻訳依頼内容が誤って他の顧客に送信されるとトラブルの原因となるため、セキュリティ対策がしっかりしているかを確認しましょう。
個人情報保護の取り組みが万全であることが確認できると安心して依頼しやすくなります。

出典:上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件 574万人分(2021年)

6実績豊富な多言語コールセンター5選

ここからは、実績豊富な多言語コールセンター5社について詳しく紹介します。
それぞれのサービスがどのような特徴を持っているかを理解することで、自社のニーズに合った多言語コールセンターを選択しやすくなるでしょう。
多言語コールセンターの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ベルシステム24
ベルシステム24は、年間3,000件以上の対応実績を持つ多言語コールセンターです。

万全なセキュリティ体制を備え、24時間365日対応が可能なため、安心して業務を任せられる点が強みです。

特徴

・24時間365日対応
・万全なセキュリティ体制
・年間3,000案件以上の対応実績

会社名 株式会社ベルシステム24
住所 東京都港区虎ノ門4丁目1番1号

神谷町トラストタワー6F

サービス内容 ・アウトソーシングサービス

・テクノロジーサービス

・コンサルティングサービス

・人材派遣事業

リンク 公式サイト

ランゲージワン株式会社
ランゲージワン株式会社は、日本語がネイティブレベルのオペレーターが対応する多言語コールセンターです。
言語スキルに加え、24時間365日対応と13ヶ国語に対応している点が特徴です。

会社名 ランゲージワン株式会社
住所 東京都渋谷区代々木4-30-3 新宿MIDWESTビル
サービス内容 多言語コールセンター
リンク 公式サイト

株式会社テレコメディア
株式会社テレコメディアは、金融など専門性が高い分野の通訳対応が得意な多言語コールセンターです。

22ヶ国語に対応しており、通訳も含めて専門的なサポートを提供しています。

特徴

・24時間365日対応
・22ヶ国語に対応
・専門性が高い通訳も対応可能

会社名 株式会社テレコメディア
住所 東京都豊島区高田3-37-10
サービス内容 ・テレマーケティング・アウトソーシング

・多言語コールセンターサービス

・AI サービス

・電話秘書サービス

・モバイル事業

リンク 公式サイト

 

NECネッツエスアイ株式会社
NECネッツエスアイ株式会社は、顧客のニーズに応じてサービス内容をカスタマイズできる多言語コールセンターです。

要望に柔軟に対応し、6ヶ国語のサポートを提供しています。

特徴

・24時間365日対応
・6ヶ国語に対応
・要望に合わせて対応をカスタマイズできる

会社名 NECネッツエスアイ株式会社
住所 東京都港区芝浦3-9-14
サービス内容 ・システムに関する企画

・コンサルティングや設計

・アウトソーシングサービス

リンク 公式サイト

株式会社NTTマーケティングアクトProCX
株式会社NTTマーケティングアクトProCXは、利用時間に合わせた柔軟なプラン設定が可能な多言語コールセンターです。

7ヶ国語に対応し、必要なタイミングで効果的にサービスを利用できます。

特徴

・24時間365日対応
・7ヶ国語に対応
・利用時間に合わせてプランを選択可能

会社名 株式会社NTTマーケティングアクトProCX
住所 大阪市都島区東野田町4丁目15番82号
サービス内容 ・コンタクトセンタービジネス
リンク 公式サイト

紹介した5社の多言語コールセンターはいずれも豊富な実績を持ち、それぞれ異なる強みがあります。

自社のニーズに合ったサービスを選ぶ際は、対応可能な言語、セキュリティ対策、実績・条件を確認し、最適なパートナーを見つけましょう。

7【まとめ】多言語コールセンターに依頼して業務を効率化しよう


多言語コールセンターは、通常の問い合わせ対応だけでなく、営業時間外の対応も依頼できます。
外国人従業員を確保するのが難しい企業にとって、人手不足を補い、業務効率化に大いに役立つでしょう。
本記事で紹介した「多言語コールセンターの選び方」を参考にして、自社のニーズに最も合ったサービスを選びましょう。
適切なコールセンターを選ぶことで、業務の円滑化と顧客満足度の向上を実現できます。

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