社会人になると電話をする機会が増えますが、電話対応に慣れておらずマナーに自信がない人も多いでしょう。

とくに、上司や取引先の人など目上の人と電話をするときは、失礼がないか不安になってしまいますよね。

そこで本記事では、目上の人に電話をかけるときのマナーや気をつけたいポイントについて解説します。

後半では、目上の人との通話で使ってしまいがちなNGワードも紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。

目上の人に電話をかけるときのマナー

マナーが身につけば落ち着いた対応ができ、目上の人への電話対応も自然にできるようになります。

目上の人に電話をかけるときの6つのマナーを紹介するので、しっかり身につけておきましょう。

電話をかける前に用件を整理しておく

目上の人に電話をかけるときは、事前に伝える用件をまとめておきましょう。

目上の人との電話はとくに緊張しやすく、用件を伝え忘れてしまったり、支離滅裂になってしまったりする可能性があります。

スムーズに伝えるためには、用件を箇条書きでメモしておくのがおすすめです。

台本のように話し言葉で書いても構いませんが、相手の返答次第では会話が噛み合わなくなる可能性もあるので注意しましょう。

言葉遣いに不安がある場合は、メモを見ながら声に出して練習してみてください。

プライベートの番号にはかけない

社内の電話や社用の携帯がある場合は、そちらの番号にかけましょう。

社内の電話や社用の携帯があるにもかかわらず、プライベートの番号に仕事の連絡をするのはマナーに反します。

よほど緊急性が高い用件でない限り、プライベートの番号にかけることは避けてください。

電話をかける時間帯に注意する

目上の人に電話をかけるときは、時間帯にも気を遣いましょう。

就業時間外はもちろん、始業直後や終業前などの忙しい時間帯や昼休憩中は、電話を控えるのがマナーです。

また、電話をかける曜日にも注意が必要です。

休み明けの月曜日や休み前の金曜日は業務が立て込みやすいので、急ぎの用でなければ避けたほうがよいでしょう。

緊急の要件でどうしても忙しい時間帯に電話をかけなければならない場合は、「お忙しいところ申し訳ございません」などと気遣いの言葉を添えて、要件を端的に伝えるのがマナーです。

なお、よほどの緊急性がなければ、メールやチャットツールなどで連絡を入れるのが望ましいでしょう。

電話ができる時間があるか確認する

目上の人に電話をかけたときは、あいさつと名乗りをした後に「〇〇の件でお電話いたしました。今お時間よろしいでしょうか?」と電話ができる時間があるか確認しましょう。

相手が話せる状態であれば、そのまま本題に入ります。

相手に時間がない場合は、都合のよい時間を聞き、後ほど改めて連絡する旨を伝えてください。

なお、時間に余裕がある場合は、電話をかける前にメールなどで今電話をしてもよいか確認するとよいでしょう。

言葉遣いに気をつける

目上の人に電話をかけるときは、言葉遣いにも気をつけなければなりません。

敬語を正しく使い、目上の人に対して適切な言葉遣いができなければ、相手に不快な思いをさせてしまう可能性があります。

印象を良くするためにも、敬語の使い方や言葉遣いを改めて学んでおくとよいでしょう。

記事の後半では、使ってしまいがちなNGワードを紹介しているので、そちらもぜひ参考にしてください。

電話を終えるときは相手が切るのを待つ

目上の人との電話では、電話を切るタイミングにも気を配る必要があります。

一般的には電話をかけた側が先に切るのがマナーですが、目上の人へかけた場合は、相手が先に切るのを待ちましょう。

もし相手が、こちらが電話を切るのを待っているようであれば、先に切っても問題ありません。

なお、電話を切るときに音を立てると印象が悪くなるので、静かに切ることを意識しましょう。

目上の人に電話をかけるときに気をつけたいポイント

目上の人に電話をかけるときは、マナーのほかにも気をつけたいポイントがあります。

以下のポイントを意識することで、より電話対応が上手くできるようになりますよ。

ゆっくりはっきりと話す

目上の人と電話で話すときは、対面での会話よりもゆっくりはっきりと話すことを意識しましょう。

目上の人との通話は緊張しやすく、無意識に早口になってしまうことがあります。

話が聞き取りにくいとマイナスな印象を与えてしまう恐れもあるので、相手が聞き取りやすい話し方を心がけてください。

静かな場所からかける

目上の人に電話をかける際は、周りの環境にも気を配る必要があります。

会話が飛び交うような場所や大きな騒音がする場所などから電話をかけると、相手の声が聞こえにくくなり、また相手の電話にも雑音が入ってこちらの声が聞き取りにくくなります。

電話をするときは、できるだけ静かな場所からかけてください。

重要なことはメモ・復唱する

電話対応では、相手から伝えられたことを忘れないよう、重要な内容は必ずメモしてください。

急にメモが必要になって焦らないよう、電話をする際は手元にメモの用意をしておきましょう。

また、聞き間違いを防ぐため、相手が話したことを復唱して内容を確認しながら会話を進めるのもポイントです。

相手が話したことを忘れてしまったり聞き間違えたりすると、目上の人からの信頼を損なう恐れがあるので、重要なことはメモ・復唱することを習慣にしましょう。

聞き逃したら必ず聞き返す

目上の人との通話のなかで聞き逃したことがあれば、必ず聞き返しましょう。

聞き返すことが失礼だと考えてそのまま流してしまうと、要件を聞き逃して相手や他の人に迷惑をかけてしまうかもしれません。

大きなトラブルにつながる恐れもあるので、聞き逃したことがあれば「恐れ入りますがもう一度お聞きしてもよろしいでしょうか?」と失礼にならないよう丁寧に聞き返しましょう。

目上の人との電話で使ってはいけないNGワード・フレーズ


丁寧な言葉を使っているつもりでも、実は間違った言葉遣いをしている場合があります。

目上の人との電話では使ってはいけない間違った言葉遣いを紹介します。

無意識に使ってしまいがちなワード・フレーズも多いので、しっかり確認しておきましょう。

NGワード・フレーズ①:もしもし

ビジネスシーンにおいて、「もしもし」の使用はNGです。

「もしもし」はもともと「申す申す」の略語であり、目上の人に対して略語を使うのは失礼だという考えから、ビジネスの電話では使いません。

挨拶をする際は「もしもし」を使わずに、社外の人には「お世話になっております」、上司に対しては「お疲れさまです」を使うのが基本です。

NGワード・フレーズ②:お名前・番号を頂戴できますか

相手の名前や電話番号を尋ねるときに使ってしまいがちな「お名前(番号)を頂戴できますか」というフレーズは、実は正しい表現ではありません。

名前や電話番号を聞くというのは、「頂戴する」ものではなく「尋ねる」ものです。

そのため、目上の人の名前や番号を聞くときは、「尋ねる」の謙譲語である「伺う」を使用し、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」と言うのが正しい表現です。

NGワード・フレーズ③:なるほど

「なるほど」は相槌によく使われますが、上から目線な印象を与えてしまうため、目上の人との会話では避けましょう。

「なるほどですね」も一見丁寧な言い方をしているように聞こえますが、そもそも文法的に使い方が間違っているので、使わないよう注意してください。

同意を示すときは「おっしゃるとおりでございます」、理解を示すときは「さようでございますか」のような表現を使うとよいでしょう。

NGワード・フレーズ④:わかりました・了解しました

「わかりました」「了解しました」は丁寧な言い方ではありますが、相手を敬う意味合いが少ないため、目上の人に対して使う表現としては不適切です。

目上の人の依頼や要求を受けるときは、「かしこまりました」「承知いたしました」を使いましょう。

NGワード・フレーズ⑤:わかりません・できません

目上の人に何かを聞かれたときや依頼されたときに「わかりません」「できません」と言うと、失礼な印象を与えるので注意しましょう。

「わかりかねます」「できかねます」を使うと、柔らかい印象になるのでおすすめです。

NGワード・フレーズ⑥:お電話をお回しします

電話を取り次ぐときに使いがちな「電話を回す」という表現は、「たらい回し」を連想させるため、使わないようにしましょう。

電話を取り次ぐときは「おつなぎいたします」のように、「回す」ではなく「つなぐ」を使うのが適切です。

NGワード・フレーズ⑦:お声が小さくて聞こえないのですが

相手の声が小さくて聞き取りにくいときに、正直に「お声が小さくて聞こえにくいのですが〜」と言ってしまうと、相手は自分のせいにされたと不快な気持ちになります。

「少々お電話が遠いようです」と、相手を責めない遠回しな言い方で呼びかけましょう。

NGワード・フレーズ⑧:〜でよろしかったでしょうか?

確認をするときに使いがちな「〜でよろしかったでしょうか?」の使い方にも注意が必要です。

「よろしかったでしょうか」には、過去・完了の助動詞「た」が付いているため、過去の出来事などを確認する際に用います。

そのため、今話した内容を確認するときに使ってしまうと耳障りになる場合もあるので、「こちらでよろしいでしょうか?」と確認するとよいでしょう。

NGワード・フレーズ⑨:〜になります

日常会話でもよく耳にする「〜になります」も、使い方に注意が必要な表現です。

「なる」は、元の状態から変化するときや時間の経過を表すときに使います。

そのため、「来月から〇〇が担当になります」「もうすぐ12時になります」という使い方が正解です。

とくに変化がない場合は、「〜でございます」を使うのが適切です。

NGワード・フレーズ⑩:〜のほう、〜する形

「書類のほうをご一読ください」「ご用意していただくかたちになります」など、「〜のほう」「〜する形」もよく使いがちですが、こちらも誤った表現の一つです。

「〜のほう」「〜する形」を使ったほうが丁寧だと感じる人もいるかもしれませんが、誤った表現を使うとマイナスな印象を与えてしまう可能性があるため、使用は避けましょう。

「書類をご一読ください」「ご用意をお願いいたします」など、シンプルな言い回しにすることを意識してみてください。

まとめ

電話対応は、どの業界・業種においても基本的な業務であるため、電話対応スキルは身につけておきたいものです。

正しいマナーや言葉遣いを身につければ、目上の人との電話も落ち着いて対応できるようになり、印象も良くなります。

本記事で紹介したポイントを参考に、スムーズな電話対応ができるよう練習してみてください。

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