電話対応において、聞き逃しや聞き間違いはトラブルの元となるため、必ず聞き返して正確な情報を聞き取らなければなりません。

しかし、どのように聞き返せば良いかわからず、上手く対応ができなかったという経験がある人もいるでしょう。

そこで本記事では、相手を不快にさせない丁寧な聞き返し方を解説します。

電話対応に慣れておらず、聞き返し方に戸惑ってしまう人は、ぜひ参考にしてください。

電話で相手の声が聞き取れない主な原因

まずはじめに、電話で相手の声が聞き取れない主な原因について紹介します。

聞き返し方を知る前に、なぜ聞き取れない事態が発生してしまうのか、原因を把握しておきましょう。

電話対応に慣れていない

電話対応に不慣れな人は、きちんと対応しなければならないという不安やプレッシャーが焦りにつながり、聞き逃しや聞き間違いをしてしまうことが多くあります。

電話はメールやチャットとは異なり、瞬時に判断して受け答えを行う必要があるため、慣れていないと慌てて対応してしまいがちです。

また、顔が見えない電話対応は相手の感情がわかりにくく、苦手意識を持つ人もいるでしょう。

そのため、落ち着いて対応ができなかったり会話に集中できなかったりして、聞き取れない事態が発生しやすくなります。

落ち着いて対応し、相手の声をしっかり聞き取るためには、電話対応に慣れることが重要です。

練習や実践でとにかく経験を積み、電話対応への苦手意識をなくしましょう。

周りが騒々しい

職場環境によって、電話の音声が聞き取りにくい場合もあります。

とくに、電話対応が多い職場は常に周りで会話が交わされているため、聞き取りにくい環境になりがちです。

しかし、電話対応の度に周りに静かにしてもらうことは難しいでしょう。

ヘッドセットを用意したりフォンブースを設置したりするなど、電話対応に適した環境を整えることが必要です。

通信環境がよくない

電話の通信環境がよくないことも、相手の声が聞き取れない原因になります。

通信環境がよくないと、音声が途切れたり雑音が入ったりして聞き取りにくくなります。

電話は、さまざまな要因で接続が安定しない場合があります。

この場合は、正直に接続が不安定であることを相手に伝えたうえで聞き返しましょう。

接続が改善しない場合は、一度電話を切って別の電話機で折り返す旨を提案するなどの配慮が必要です。

相手の話し方や声の大きさに問題がある

電話対応では、相手の話すスピードが速かったり声が小さかったりすることが原因で、声が聞き取れないケースもあります。

声が小さい場合は、音量を上げて聞き返しましょう。

ただし、相手の話し方に原因があるときは、失礼にならないよう伝え方に気をつけなければなりません。

相手を不快な気持ちにさせないよう、こちら側や電話機に非があるように伝えるとよいでしょう。

具体的なフレーズは後ほど紹介しているので、そちらを参考にしてみてください。

聞き慣れない専門用語や固有名詞が多い

担当外の用件の電話を受けると、聞き慣れない専門用語や固有名詞が多く、聞き取りに苦労することもあります。

この場合は、間違った情報を共有することを防ぐために、担当者や話がわかる社員に取り次ぐことをおすすめします。

担当外の電話を取ることが多い場合は、すぐに取り次げるよう、あらかじめ会社名や担当者をまとめておくとよいでしょう。

相手を不快にさせない上手な聞き返し方

聞き取れなかったときは聞き返すのがマストですが、聞き返し方によっては相手を不快にさせてしまう可能性があります。

ここでは、相手を不快にさせずスムーズに聞き返す方法を紹介します。

クッション言葉を活用する

聞き返すときは、クッション言葉を使うのがポイントです。

クッション言葉とは本題の前に添える言葉で、そのまま伝えるとキツい印象や不快感を与える可能性があることをマイルドに伝える効果があります。

そのため、聞き返す際も「申し訳ございませんが、もう一度お聞きしてもよろしいでしょうか」とクッション言葉を入れることで丁寧な印象を与えられ、スムーズに聞き返せます。

クッション言葉は、聞き返すときに限らずさまざまなシーンで活用できるので、自然と使えるよう言葉に慣れておくとよいでしょう。

▼聞き返す際に使えるクッション言葉の一例

申し訳ございませんが〜、失礼ですが〜、恐れ入りますが〜、恐縮ですが〜、お手数おかけしますが〜

理由を伝えてから聞き返す

相手を不快にさせないよう聞き返すためには、聞き返す理由を伝えることも重要です。

理由を言わずに聞き返すと、失礼な印象を与え、相手を不快な気持ちにさせる可能性があります。

そのため、状況に応じて理由を伝えてから聞き返しましょう。

以下に、よくあるケースごとの理由の伝え方の例をまとめたので、参考にしてみてください。

▼相手の話し方や声の大きさが原因の場合

相手の話すスピードが速かったり声が小さかったりすることが原因で聞き取れない場合は、ストレートに理由を述べることはNGです。

「お電話が遠いようですので〜」「メモが追いつかないので〜」のように、婉曲的な理由を用いるとよいでしょう。

▼電波状況が原因の場合

電波状況の悪さが原因で相手の声が聞き取りにくい場合は、「電波状況が思わしくないようですので〜」と正直に電波状況が悪いことを伝えましょう。

また、相手が外出先から電話をしていて周囲の雑音が入って聞き取りにくい場合は、「周囲の音を拾ってしまっているようですので〜」と伝えるのがベターです。

なお、相手の声が聞こえないときに「お声が遠いようですので〜」という表現は避けてください。

丁寧な言い回しに聞こえますが、相手に声の小ささを指摘しているようなニュアンスが出てしまうので、使わないようにしましょう。

▼自分の知識不足が原因の場合

担当外の相手との会話では、わからない専門用語や聞き慣れないフレーズが出てきて聞き取れないこともあるでしょう

その場合は、「知識不足で申し訳ございませんが〜」「不勉強なもので申し訳ございませんが〜」のように、自分の知識不足が故に聞き取れなかったことを謝罪とともに伝えましょう。

言い回しに気をつける

聞き返すときは、言い回しにも気をつけましょう。

命令口調や詰問調になると、キツい印象になり、不快感を与える可能性があります。

丁寧な印象を与えるためには、改めてお願いするような言い回しをするとよいでしょう。

以下に名前を聞き返す際の良い例と悪い例をまとめたので、参考にしてみてください。

【良い例】

「もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「もう一度お名前をおっしゃっていただけますでしょうか?」

【悪い例】

「もう一度お名前をおっしゃってください」

「お名前はなんですか?」

ゆっくりはっきりとした口調で聞き返す

聞き返すときは、ゆっくりはっきり話すことも意識しましょう。

自分が早口になると相手もつられて早口になってしまうこともあり、より聞き取りにくくなります。

その結果何度も聞き返すこととなり、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

早口で話すと、落ち着きがないというマイナスな印象も与えてしまうので、一言一言ゆっくりはっきり話しましょう。

聞き返し方とあわせてチェックしたい、聞き逃しや聞き間違いを防ぐコツ

聞き返すことなくスムーズに会話を進めるためには、相手の話を一度で確実に聞き取らなければなりません。

完璧に聞き取ることは難しいですが、聞き返すことはできるだけ最小限に抑えられるよう、聞き逃しや聞き間違いを防ぐコツを押さえておきましょう。

相手の名前や用件を復唱する

相手が名前や用件を言ったあとに復唱することで、聞き逃しや聞き間違いを防ぎやすくなります。

また、復唱することで、相手に正しく認識していることをアピールできるメリットもあります。

復唱した際に間違っていれば相手に訂正してもらえるため、正確に聞き取れたか自信がないときは、訂正してもらう前提で復唱するのもよいでしょう。

例えば、相手の名前が「カトウ」か「サトウ」か聞き取れなかったとき、間違っている可能性があることを前提に「カトウ様ですね」と復唱することで、正しく聞き取れているか確認できます。

名前や用件を聞き間違えると大きなトラブルにつながる恐れもあるので、復唱することを習慣化しましょう。

顧客情報を把握しておく

相手の名前や会社名が聞き取れないことが多いという場合は、顧客情報を把握しておくのがポイントです。

あらかじめ顧客情報をチェックしておけば、聞き慣れない名前や会社名で聞き取りにくいという事態が発生しにくくなります。

すべての顧客情報を頭に入れておくことは難しいので、よく電話がかかってくる顧客をリスト化して、すぐ確認できるよう手元に置いておくとよいでしょう。

電話機の音量を調整する

相手の声が小さくて聞き取れないときは電話機の音量を上げ、逆に相手の声が大きすぎて音が割れてしまう場合は、音量を下げて聞きやすいボリュームに調整しましょう。

周りが騒々しい環境の場合は、あらかじめ音量を大きめにするなど、周囲の環境に合わせて設定しておくこともおすすめです。

また、電話機の音量ボタンの位置を確認しておけば、電話を取ったあとでも慌てずに音量の調整ができます。

周りの環境や相手の声のボリュームに合わせて、音量をすぐに調整できるようにしておきましょう。

聞き取りやすい環境を整える

周囲が騒々しいと相手の声が聞き取りにくくなるため、電話対応はできるだけ静かな場所で行うことが望ましいです。

スマートフォンや携帯電話で電話をする場合は、廊下や別の部屋など、静かな場所に移動してから対応するとよいでしょう。

固定電話を使用している場合は、周囲の従業員に協力を仰ぐ必要があります。

会話が飛び交ったりコピー機の音が聞こえたりするなど、業務上常に騒々しい環境の場合は、ヘッドセットを使用するなどして聞き取りやすい環境を作りましょう。

ノイズキャンセリング機能付きなら、周りの雑音が聞こえにくくなり、より相手の声が聞こえやすくなります。

聞き取りやすい環境を整えておくことも、聞き逃しや聞き間違いを防ぐために有効な手段です。

まとめ

電話対応において、相手の名前や用件を正確に聞き取ることは、最低限できなければならないことです。

聞き取れない情報があった場合は、有耶無耶にせず必ず聞き返しましょう。

今回紹介した聞き返し方のコツを参考に、失礼にならない聞き返し方を練習してみてください。

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