コールセンターのトークスクリプト作成ガイド【例文つき】

コールセンターのサービス品質を高めるうえで、トークスクリプトは重要な役割を果たしています。今回は、トークスクリプトをテーマに、作成のポイントや重要性について解説していきます。
コールセンターの運営に関わる企業様、トークスクリプトを改善したいとお考えのご担当者様はぜひ、本記事を参考にしてみてください。

コールセンターにおけるトークスクリプトとは?

「トークスクリプト」とは、ひとことでいえば「顧客と話す内容の台本」です。コールセンターの業務では、電話口での顧客との会話の内容を想定して、あらかじめ作っておいた台本を利用します。
はじめに、なぜこのトークスクリプトが必要なのか、その重要性や利用のメリットについて解説していきます。

トークスクリプトの重要性

トークスクリプトは、顧客からの要望や質問を想定して、適切な回答を予め用意しておくFAQの役割も果たしながら、お客様のご要望を手順よく聞き出したり、自社の商品やサービスの特徴をわかりやすく説明するためのマニュアルでもあります。

トークスクリプトによって、オペレーターが効率よく対応でき、且つ、顧客にとってはスムーズに必要な情報を得ることができるようになるため、双方にとって重要なツールとなります。

仮にトークスクリプトがなければ、対応を担当者の技量に委ねる要素が強くなります。業務の属人性が高まり、ノウハウが受け継がれにくくなるほか、経験値が浅い担当者が対応すれば、品質が下がってしまうリスクもあるでしょう。

トークスクリプト作成のメリット

トークスクリプト作成のメリットは、主に次の点があげられます。

■対応品質の統一化
トークスクリプトがあることにより、誰が対応しても同じレベルのトークができるようになります。「担当者によって言っていることが違う」といったトラブルも回避できます。

■業務の効率化
トークスクリプトによって、案内内容や手順が整理されているため、顧客にスムーズに対応できるようになります。対応時間の短縮にもなり、業務効率が高まります。

■新人教育をスムーズに
経験値が少ない新人のオペレーターも、トークスクリプトをもとに対応することで、即戦力になります。新人教育のコストや時間削減につながります。

トークスクリプトに必要な項目

次に、トークスクリプトに必要な項目をみていきましょう。トークスクリプトに必要な項目は次の通りです。

・オープニングトーク
・メイントーク
・クロージングトーク

順に詳しく解説していきます。

オープニングトーク

オープニングトークとは、電話をかけてきた顧客、またはこちらからかけた電話に出た顧客との最初の接点となります。主に次の内容があてはまります。

・挨拶
・自己紹介
・目的の確認及び説明

オープニングトークの対応で、顧客に与える印象が大きく変わりますので、非常に重要なポイントです。

特に、こちらから電話をかけて商品やサービスを売り込むアウトバウンドコールでは、この段階で信頼されなければ、本題に入る前に断られてしまいますから、オープニングトークで与える印象が成約への鍵を握ります。

メイントーク

メイントークとは、その言葉のとおり「本題」です。電話の目的を達成するためのトークです。
インバウンドのケース、アウトバウンドのケース、それぞれ以下の内容が想定されます。各項目に即したトークスクリプトを用意する必要があります。

■インバウンドのケース
・顧客からの質問への回答
・問題の解決策の提案
・内容によっては対応可能な部署に転送
・クレームへの対応

■アウトバウンドのケース
・商品やサービスの紹介
・アポイント獲得
・商品購入または契約成立

クロージングトーク

クロージングトークは、本題が終わり電話を終了する前の最後の会話です。次のような内容が想定されます。

・認識のすり合わせ
・感謝の言葉
・次のアクションについて
・挨拶

インバウンドでは、他に困りごとはないか、問題はすべて解決したのかを、再度確認をしたうえで挨拶で締めくくります。
アウトバウンドのケースでは、アポイントの日時や資料の送付先など、次のアクションについて、認識のすり合わせを行うとよいでしょう。

トークスクリプト作成の手順

ここでは、トークスクリプト作成の手順をご紹介していきます。

必要な情報の収集と整理

コールセンター業務では、インバウンドにしろアウトバウンドにしろ、自社で扱う商品やサービスの特徴や基本情報を把握しておくことが大切です。顧客は、オペレーターが商品やサービスを把握していることを前提に、詳細を質問してくることがあるからです。

顧客から質問を受けた際に的確に回答できるよう、情報を整理してまとめておく必要があります。

また、他社商品や自社との類似サービスなども代表的なものを把握できるようにしておくとよいでしょう。
特にアウトバウンドの場合は、自社サービスの魅力や差別化ポイントをアピールすることが成約につながりますので、定期的に他社商品の情報も収集してまとめておきましょう。

想定パターンと対応策の検討

次に、顧客の反応や質問を想定して、対応方法を検討しておきましょう。

インバウンドの場合は、想定される質問や要望に対する対応方法を整理しておきます。対応が正確であることはもちろんですが、短い時間での対応も重要ですので、解決までのわかりやすい導線を整備しておきましょう。

他には、想定されるケース以外のイレギュラーが発生した場合、どのような手順で上長に相談するかの流れも決めておくとよいでしょう。そこでの対応がスムーズでないと、クレームに発展する恐れがあります。

アウトバウンドの場合には、売り込む側になりますので、端的に商品やサービス導入のメリットをアピールすることが重要です。詳しい商品説明に入る前に断られたときの、切り返しについても用意しておくとよいでしょう。

対応ステップの作成

トークスクリプトに必要な情報や項目を整理できたら、次は骨組みにあたる部分の作成です。対応の手順をステップごとにわかりやすく整理しましょう。フローチャートなど図解を利用して、ビジュアル的にわかりやすく作成することをおすすめします。
顧客に何度も同じことを伺うなど、無駄な手間をおかけしないためにも、ここでの手順の設計が重要です。

会話文の作成

トークスクリプトの骨組みができたら、具体的な会話文も用意しましょう。
よく使うフレーズをまとめておけば、オペレーターは基本フレーズのアレンジで対応できるため、研修の時間も短縮できます。正しい敬語の習得や間違えやすい敬語などの、ミスを防ぐことにもつながるでしょう。

会話文を作成する際には、専門用語を使わないようにするのがポイントです。
たとえば、「デバイス」「ブラウザ」「OS」など、業界内にいると基本的な用語に思えるものも、客層によっては理解が難しいケースがあります。どんなお客様にもわかるように、可能な限り、一般的な言葉に置き換えるとよりスムーズです。

トークスクリプト作成のポイント

ここまで、トークスクリプト作成の手順をご紹介してきました。トークスクリプトを作成するにあたっては、次のポイントを意識するとよいでしょう。

ロールプレイングでのチェック

トークスクリプトがひととおり完成したら、ロールプレイングでシミュレーションをしましょう。
声に出しながら実際の会話形式でチェックすることで、改善点に気づくこともあります。案内の手順がスムーズでない点や不適切な言い回しがあれば、修正します。
ロールプレイングによって、フレーズのアレンジや臨機応変な対応の訓練にもなるでしょう。

経験豊富なオペレーターの協力

トークスクリプト作成の際は、ベテランのオペレーターに協力を仰ぐとよいでしょう。
現場でのオペレーター経験がない本部のスタッフだけで作成をしていると、実態に合っていないトークスクリプトができあがってしまうこともあります。

経験豊富なオペレーターが実体験で得た知見を反映させることで、よりレベルの高いトークスクリプトになるはずです。

定期的な見直しと改善の実施

トークスクリプトは一度できたら完成ではありません。作りっぱなしにせず、定期的な見直しと改善をしていくことが大切です。

よりわかりやすい表現はないか、よりスムーズな手順はないか、という視点を持ち続けながらブラッシュアップしていきましょう。お客様の反応をみながら、説明の補足や省略しても構わない事項など、現場からのフィードバックを反映させていってください。

また、扱っている商品やサービスの内容がアップデートされることもありますので、トークスクリプトもそれに連動してアップデートしていくことが必要です。

見やすいレイアウトの工夫

トークスクリプトの見やすさも業務の品質に影響します。見づらくて戸惑ったり、読み上げているような対応にならないためには、見やすいレイアウトであることも欠かせません。

フローチャートなどの図解も取り入れながら、ひとめでわかりやすいビジュアルにするよう工夫をしましょう。

トークスクリプトの例文

次に、トークスクリプトに使える例文をご紹介していきます。トークスクリプトを作成する際には、ぜひ参考にしてみてください。

インバウンドの例

インバウンドの場合は、オープニングトークでまず先に名乗り、相手に安心感を与えることが大事です。
メイントークでは、顧客が要望を伝えやすいように、導くことがポイントです。

■オープニングトーク
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇コールセンター担当の〇〇です」

■メイントーク
「本日はどのようなご用件でしょうか」
「恐れ入りますが、現在の状況をお知らせください」
「この度はご不便をおかけしまして、大変申し訳ございません」
「〇〇を確認いたします。お客様の〇〇を伺えますでしょうか」

■クロージングトーク
「本日は、担当の〇〇が対応いたしました。失礼いたします」
「この度は、お問い合わせいただきまして、ありがとうございました。」

アウトバウンドの例

アウトバウンドの場合は、トーク冒頭でのつかみが大事です。ここで成功しないと商品説明までたどりつけないこともあるからです。相手へのメリットを端的に伝える工夫をしましょう。

■オープニングトーク
「お忙しいところ恐れ入ります。私、株式会社〇〇の〇〇と申します。〇〇様のお電話でよろしいでしょうか」

■メイントーク
「本日は、よりお得にご利用いただけるサービス〇〇のご案内でご連絡いたしました」
「先日は、〇〇をご購入いただきありがとうございました。本日は、〇〇のご案内でご連絡いたしました」
「本日は、〇〇のご案内でご連絡いたしました。今、少しだけお時間いただいてもよろしいでしょうか」

■クロージングトーク
「本日は、お忙しいところ貴重な時間を割いていただき、ありがとうございました」
「ご質問やご不明点がある場合は、〇〇までご連絡ください」

ボンズの電話代行ならトークスクリプトの作成からサポートします

今回の記事で、トークスクリプトの重要性をおわかりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、次のようなお悩みを抱えている企業様も多いことでしょう。

「トークスクリプトを整備するための時間をさけない」
「トークスクリプトをブラッシュアップして、対応品質をあげたいが、ノウハウがない」
「コールセンターを委託したいが、トークスクリプトってこちらが用意するべき?」

このようなお悩みは、すべてボンズが解決いたします!

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コールセンター業務にはトークスクリプトが重要!プロに任せるという選択肢も

今回は、コールセンターにおけるトークスクリプトの重要性や作成の手順について解説しました。コールセンターの品質を高めるには、レベルの高いトークスクリプトが欠かせません。

「社内にコールセンターのノウハウがない」「リソース不足でトークスクリプトの改善に手をつけられない」というお悩みは、ボンズコミュニケーションが解決可能です。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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